遺言、遺贈義務者が権利を受遺者に移転できない場合の定め

  1. 書き方例

     〇〇の絵画を財産目録 1の〇〇預貯金財産で購入し、Aさんへ遺贈する。仮に〇〇の絵画が購入できない場合でも、その価額を弁償する必要はない。
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  2. 解説

    遺贈は、遺言者の死亡の時において、対処物の所有権を遺言者が持っていなかった場合は、遺贈は実行されません。
    ただし、その権利が対処物の所有権に関係なく、これを遺贈の目的としたものと認められるときは、この遺贈は実行されなければなりません。(民法 996)
    例えば、フェラーリを遺贈したいと考え、お金を貯めていたが購入するまでに亡くなられた場合は、遺産のお金でフェラーリを買って遺贈しなければなりません。
    上記の権利を取得することができないとき、又はこれを取得するについて過分の費用を要するときは、遺贈義務者は、その価額を弁償しなければならない。
    ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従います(民法 997)
    996条が認められた場合の話で、所有権を得ることができなかった場合は、遺贈義務者はそれを弁償する必要があります。
    しかし、例えば、遺言者が弁償する必要が無いよと遺言しておけばその必要が無くなります。