遺言で受遺者の果実の取得時期を指定

  1. 書き方例

     私は 財産目録1の〇〇財産を××へ遺贈する。但し、財産目録1の〇〇財産の果実は、3年後から取得させる。
    ・・・・・ 

  2. 解説

    遺言によって遺産を包括又は特定の名義で受遺者に与えることができます。
    これを遺贈といいます。
    また、遺贈を受けた財産から生まれる利益を法定果実といいます。
    例えば、株式の配当、賃貸マンションの賃料などです。
    この果実がいつから受遺者の物になるのか?というのがこのテーマです。
    普通は、遺贈の履行を請求することができる時から果実を取得します。(民法992)
    概ね相続発生時ですが、停止条件付遺贈においては条件成就の時、始期付遺贈においては期限到来の時となります。
    また、遺贈される遺産が不特定物の場合は、目的物を特定しその権利が受遺者に移転するときなので注意が必要です。
    因みに、遺留分減殺請求されると、受贈者は、その返還すべき財産のほか、減殺の請求があった日以後の果実を返還しなければいけません(民法1036)。

    遺言で果実の取得時期を指定できます。遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従います。(民法992)
    例えば、所有権は息子に、3年間は共同相続人が賃料収入を分け合うというようなことができます。