遺言で停止条件付きの遺贈について、受遺者がその条件の成就前に死亡したときの扱いの定め

  1. 書き方例

     財産目録 1の〇〇財産をAさんが大学へ入学したら遺贈する。Aさんがその条件の成就前に死亡した時は、Bさんへ遺贈する。
    ・・・・・ 

  2. 解説

    停止条件付きの遺贈については、受遺者がその条件の成就前に死亡したときはその効力を生じません。
    ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。(民法994 ②)
    何も書かなければ、遺言書の該当内容は意味が無くなりますが、別の意思表示を示すことが可能となっています。

    因みに、停止条件付きの遺贈とは?
    停止条件の遺贈とは、例えば「Aさんが大学に入学したら、100万遺贈する。」などのように、条件を付けるような遺贈方法です。
    では、絶対無理な条件、 「高校生のAさんに対して、中学校に入学したら100万遺贈する。」とした場合はどうなるでしょうか?
    =>これは無効です。
    では、「高校生のAさんに対して、高校に入学したら100万遺贈する。」とした場合はどうなるでしょうか?
    =>これは条件無しとして扱われます。即ち、「Aさんへ100万遺贈する。」書いたことと同じです。