人事制度(評価、キャリアコース、ダイバーシティなど) | 組織・人材管理
従業員のモチベーションに大きく影響する評価、キャリアコース、ダイバーシティの人事制度に関する切り口をまとめています。
評価
評価を行う上で重要な点は次の3点です。
- 透明性
- 評価方法を明確にし、事前に被評価者へ周知し、社内で共有すること。
- 納得性
- 被評価者に評価過程や結果に至った経緯などフィードバックし、評価結果について本人の納得感を高めること。
- 公平性
- 評価基準を組織内で統一し、公平な評価が行われるようにすること。
評価不全対策
評価が不公平など評価の不具合が発生した場合の対応として次のような手段があります。
- 評価者訓練の実施
- 多面評価制度
- 複数人による評価中央値利用
- 面接による補完
評価対象
何を評価するかについて、時の流行りは次のように変遷しています。
- 年齢と経験(年功序列)
- 能力評価(職能給)
- 成果評価(成果主義、年俸制)
- 成果+成果に繋がる行動評価(コンピテンシー評価)
目標を管理(MBO)
従業員に企業が期待している内容を理解させ、期待する方向へ努力させるために行うマネジメント手法です。 MBOを利用し、コンピテンシー評価の実施などが考えられます。
報酬
代表的な報酬の形態は次の2点です。
- 年功序列
- 日本企業の代表的な給与体系で、勤続年数により給与が決まります。長期的な視点での社員教育可能などのメリットがあり、 デメリットとしては労働意欲が低下するおそれなどです。
- 業績連動(成果主義)
- 欧米企業の代表的な給与体系で、業績により給与が決まります。総人件費の適正化が図れるなどのメリットがあり、 デメリットとしては短期的な視点や失敗を恐れがちになるなどあります。
職務履歴の進路設定
社員育成のため戦略的に従事させる職務の進路戦略は主に次の4つがあります。
- ジョブローテーション
- 定期的に異動させることで、社内や従業員の意識改革や活性化を図ることができます。
- キャリアディベロップメントプログラム(CDP)
- 従業員のキャリアや能力開発を長期的な視点で設計することです。従業員の能力向上やモチベーション向上に役立ちます。
- 社内公募
- 新規事業やプロジェクトのメンバーなど業務上に必要となる人材を社内から公募により集める制度です。従業員のモチベーション向上に役立ちます。
- 複線型人事制度
- キャリアコースを複数設定(昇進ルートが社内に複数)する制度のことです。技術者が専門技術をより極めながら昇進することができます。
非正規社員
正社員以外の社員のことで、契約社員やパート社員、アルバイトなどのことです。 非正規社員を戦力化するためには、次のようなモチベーション向上施策が有益です。
- 等級別賃金
- 成熟度による等級を設け、等級に応じた賃金とする。
- 職場リーダー制
- 職場のリーダー役を設けることで、職務充実、職務拡大を図る。
- 正社員への登用
- 正社員登用への道を作る。
- 能力給の導入
- 専門能力が高い非正規社員へ能力給を導入する。
採用・退職
採用には、新卒採用と中途採用があります。近年、採用方法が多様化してきており、主な方法は以下のとおりです。
- 職種別採用
- 営業、経理、法務など職種別に応募を行う方法です。
- インターンシップ制度
- 学生が企業で就業体験を行う制度です。企業は優秀な学生の囲い込みを行うことができ、学生も一度会社を見て入社するので労使のミスマッチが起こりにくいです。
- インターネット告知
- インターネットの求人サービスを利用した採用告知で、デジタルネットワークであるため双方向のやり取りが可能です。
- アウトソーシング
- 人材派遣を活用します。
- 人材紹介
- 人材紹介会社に紹介してもらい、採用に至った場合に手数料を支払う方法です。
- 紹介予定派遣
- まず、派遣社員として受け入れ、適性を判断して正社員として採用します。採用に至った場合に手数料を支払う方法です。
雇用調整は段階的に取り組むことが望まれます。
- 残業規制
- 非正規社員の削減
- 正規社員の採用停止
- 配置転換や出向
- 希望退職者募集
- 退職勧告