事業承継、M&A | 組織・人材管理
会社の経営者が後継者に会社の経営権や財産を継承する時の留意点について切り口をまとめています。
事業承継
中小企業において、主な後継者は次の3つです。
- 家族や親族(主に実子)
- 家族以外の社内の人物(役員や従業員)
- 家族以外の社外の人物(外部の紹介機関など)
事業承継の留意点
事業承継を行う場合の主な留意点は次の6つです。
- 後継者の育成
- 社長が現役中に後継者を選定し、早い段階から後継者の精神面と能力面での育成を図ることが重要です。
育成方法としては、社内ベンチャーの経営者や、事業部制度の事業部長などに任命し経営経験を積ませる。 または、社長が直接OJTで育成する。もしくは、後継者育成塾など外部の育成プログラムなどを活用するなどが考えられます。 - 社内の従業員、役員および取引先からの理解
- 事前に、従業員や役員および取引先に、思いや考え方を伝えて事業承継について理解を求める必要があります。
- 段階的な権限委譲
- 後継者の能力の向上に合わせ、徐々に権限を譲り渡すことが有益です。
- 後継者のバックアップ体制の構築
- 承継前の社長が会長になり、後継者が会社の経営で悩んだ場合に助言を与える方法や、 客観的な助言ができる外部人材を相談役に選任するなど、後継者の支援体制を構築することが大切です。
- 株式・財産の分配
- 株式・財産の分配においては、後継者とその他相続人への分配バランスを考慮することが重要です。また、国の事業承継制度などを適切に活用することも有益です。
- 個人保証・担保の処理
- 事業承継に際して、個人保証・担保の処理をすることが必要です。
M&A(合併と買収)
中小企業において、後継者問題の解決策としてM&Aも使われます。M&Aの主な留意点は次の3つです
- M&Aの手続き
- M&Aの情報漏洩に注意し、事業承継の条件や売却金額を検討します。
交渉段階において、自社の都合の悪いことを隠さず、真摯な態度で交渉し、信頼関係を構築することが重要です。 また、M&A後の自社の環境整備にも気を配ることを忘れないようにします。
M&A実施後は、企業文化の融合や経営統合を円滑に進めることに留意します。売却側の経営者が一定期間会社に残ることも有益です。 - 会社の魅力向上
- M&Aを成功させるためには、売れる会社にする必要があります。業務改善や収支改善、貸借対照表のスリム化 無形資産(ブランド価値など)への配慮、社内規定の整理、保有資産、株主の事前整理などを行います。
- 各種支援策の活用
- 事業引き継ぎ支援センターなど公的な制度を積極的に活用することが有益です。